薬草のまち宇陀へ・カタクリ満開の森野旧薬園

桜も開花して春めいてきました。週末はカタクリ観察に奈良の宇陀へいってきました。車で通過することはあっても、ゆっくり巡ったことが無かった宇陀市ですが、いろいろな発見がありました。

宇陀市が日本最古の薬草狩りをしていた場所であると、私はこの間知ったところなのですが、薬草と関係が深い場所のようです。森野旧薬園のカタクリが満開と聞き訪れてみました。

森野旧薬園は、江戸時代中期に開園され、当時の面影を残す日本で唯一の私営の薬園です。

宇陀に向かう途中、飛鳥を走っている高松塚古墳・壁画館がありましたので、立ち寄ることにしました。黄砂はとんでいましたが、穏やかなお天気の中、サイクリングで観光をしている人が沢山いました。藤原京期(694年 – 710年)に築造された高松塚古墳、その中に極彩色の壁画があるのには、浪漫を感じますね。

壁画に使われている鮮やかな青色は、アフガニスタン産のラピスラズリ鉱石が使用されています。当時にどうやって入手されたのか?不思議ですね。壁画に描かれている優雅な様子を見ていると、現代人よりも優美な雰囲気で、当時の人々は空を飛んで地球を巡り、「ちょっとこのラピスラズリ、日本に持って帰っていいかしら」とかなんとか話しながら、世界中で交友していたのでは?と想像してしまいました。

その後、宇陀の森野旧薬園へ向かいました。門を入ると流れるプールのような水槽があります。吉野葛を製造する作業場で、現在は使用されていないようでしたが、興味深く見ていると、森野家の11代目の藤助氏から丁寧に製造方法を説明頂けました。葛の根が想像以上に大きいことに驚きました。

沈丁花の良い香りとともに薬草園に入って坂を上っていくと、カタクリがいっぱい!こんなに沢山のカタクリを見たのは初めてです。東北の鳥海山の麓で群生をみましたが、ここまで所狭しと密に茂って群生しているのには驚きでした。春の妖精と呼ばれ、花が咲くまで7年はかかると言われていますが、薬草園のカタクリも7年越しの開花を喜んでいるみたいに咲いていました。

朝ドラの牧野富太郎氏も森野薬草園を訪れていて森野氏と交流があったそうです。私は南方熊楠が好きで田辺の記念館と熊楠邸に行ったことがありますが、植物好きの牧野富太郎と熊楠は交流があったらしく、もしかすると森野さんと熊楠もどこかで交流があったかもしれませんね。

園には250種類の薬草があり、季節ごとに訪れてみると楽しいかもしれません。いつも眺めている花々が実は薬効があって、眺めて良し、飲んでも良し、昔から人々は自然の恵みを上手に受け取って暮らしていたことがよく分かりました。

又兵衛桜が近いので立ち寄ってみました。3分咲きでしたが、貫禄あります。観光バスの鑑賞ツアーで訪れている人々もいて多くの人で賑わっていました。春爛漫です。

万葉公園にあった看板に、飛鳥時代の薬狩りの様子を描いた絵がありました。男子は鹿の角を、女子は薬草を採取していたそうで、この時代の宇陀市にタイムスリップして薬草摘みをしてみたいものです。

では又次回のブログで!

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