果無(はてなし)山脈の最高峰・冷水山(ひやみずやま・1262m)へ

奈良と和歌山の県境にそびえる果無山脈の冷水山を訪れました。かつて修験者たちが行き交ったこの山々は、果てしなく続く山道の様子から「はてなし」と称されるほど、深い歴史と自然が息づいています。
本当に奥深いところまできたものだと感じる、歩きごたえのある山でした。
土曜日お昼ごろに大阪を出発し、龍神村の丹生ヤマセミの郷キャンプ場へ夕方に到着。
温泉も併設されており、キャンプ場もほどよい広さのところで、テント場のすぐ横には清流が流れいます。静かで快適に過ごせました。「野猿」(人力ロープウェイ、かご渡しですね) という珍しいもので川を渡ることもできます。今週末は寒くなってきていたので、焚火を囲んで静かに楽しむ人々で賑わっていました。
ヤマセミの郷というだけあって、温泉の休憩室にヤマセミの剥製がありました。横のカワセミと比べると随分大きいですね。キャンプ場の管理人さん曰く、施設に生き物などの名前を付けると、その生き物に出会わなくなるというジンクスがあるとか。「ぼくは近くの森で見たよ」という方がおられたので、今でも生息しているようです。私自身、ヤマセミを見たことはありませんが、いつかその姿を目にしたいと思ってます。
翌朝6時にキャンプ場を出発し、東平の集落をてくてく歩き進めていきました。犬の散歩をされている集落のおじいさんに「果無いくのか、クマに気を付けて」と声かけ頂きました。熊野という名の通り、熊の生息地ですので気を付けなければいけませんね。

集落の行き止まりのところに、ひっそりと登山口があります。ここから少し上がったところに獣除けのゲートがありますので、そこから登っていきます。和田の森までは、ひたすら樹林帯の急登が続きます。
和田の森を過ぎるとようやく視界が開け、山また山の景色が広がっていきます。再び延々と続く樹林帯をてくてく進むのに少々飽きてきたので、並走している林道を歩いたり気分を変えながら進み続けます。和田の森から一時間半ほどで安堵山に到着しました。ようやくここでホッとしたから安堵山なんだろうな、と感じました。その名の通り、心から安堵する景色に出会いました。
果てしなく広がる山並み、熊野の山深さを放心しながら眺めたり、小さいアザミに癒されました。
果無山脈では、一本だたらという妖怪伝説があるそうです。皿のような目を持つ一本足の妖怪で、12月20日のみ現れるとの言い伝えで、この日を「果ての二十日」と呼び厄日とされました。果無の名の由来は、妖怪が旅人を食べたりしたことから、「果ての二十日」に峠越えをする者がなくなり(ナシ)、ここからハテナシの名がついたという説もあるそうです。 
山頂に到着すると、こんな快晴の日曜日なのに私たち以外には誰もおらず、絶景を独り占めできました。この景色を眺めながらのんびりランチ(カップ麺ですが)を食べるのは、贅沢で幸せ気分になります。この日は結局一人しかすれ違わずでした。
下山中には熊の痕跡を発見!、ご覧の通り、熊さんのうんちをまた見つけました。それも、こんな気持ちのよい登山道の真ん中あたりに2か所ありました。熊が、「ここに住んでるんだよ」と示してるような、堂々としたものでした(^^:
最近では飯豊山に続いて2度も遭遇したので、運が好転しているのかもしれませんね(笑)。
長い下山を終えて16時頃に集落に戻り、ほろほろと歩いていると、なんとアサギマダラの群れが民家の庭にひらひら飛んでいるのを発見。「お帰り、おつかれさん」とお出迎えしてくれているような気分になりました。1000km以上も海を越えて渡る蝶々、こんな小さな羽ですごいですね。これから、どこに飛んでいくのだろう。
今回の行程↑、21.6km、 のぼり1501m・くだり1493 m でした。
近畿の山々の紅葉は始まったばかり、これからが見頃となりそうですね。
では、また次回のブログで!
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