巻機山 (まきはたやま・1967m) 2024.3.17 & 北越雪譜の鈴木牧之記念館

3月17日(日)に巻機山(1967m)に登るべく越後湯沢に行ってきました。前日の土曜日、木曽の御岳山を目指しましたが、強風のため登山は諦め、新潟へ一目さんに移動し、十日町の温泉に入り南魚沼へ。

道の駅を探しながら車を走らせていると、「へぎそば」の看板が見えたので入ってみました。布海苔(海藻)をつなぎに使ったへぎ蕎麦、美味しいですね。どうやら有名店だったようで、次から次へとお客さんが入ってきて、食べる前にみなさんお蕎麦をパチリと写真に収めていました。店内は広々としており、駐車場からも綺麗に巻機山が眺められました。 中野屋さん塩沢店、おすすめです。

旅の疲れもあり、お腹がいっぱいになると大あくび状態で、南魚沼の道の駅に到着して早々と車中で眠りました。

翌朝は薄曇りのお天気でしたが、風もなく午前中はお天気は持ちそうな予報でした。実はなぜか昨夜からどうもへんな予感というか、あれほど楽しみにしていた巻機山なのに、登る気持ちに張り合いがない気分に陥りました。桜坂駐車場までの林道は冬季閉鎖しているので、清水集落で路駐しかないと思って行ってみると、登山者用駐車場ができていました。 駐車場があることに気づかない登山者が多かったのか、道路わきに結構な数の車が停まっていました。目立つような大きめのParkingの看板を設置するのが良さそうです。

登山準備をして出発、井戸尾根コースで登り始めたものの、いろいろあり、もう下るようにと誰かに言われているような感覚になってしまい、、心の声に従って途中下山してしまいました。。今までこんなに登ることに気力が無くなるのは初めてでしたが、

まぁ、こんな日もあるさ(^^; と近くの木々を飛び回っているコゲラにおーいと呟きかけたりなんかしながら、急登時にてこずって外したスキー板を担いだまま下っていると、下山してきた地元のソロ登山の女性と出会いました。「スキーかっこいいですね」と声掛け頂きましたが、「いやいや、へたくそで(^^; 」情けなかぁ、ポリポリです。ほんとに下手の横好きで根性だけでなんとか続けていたけれど、この度は気力もなく、そろそろスキー登山のやめ時なのかと考えながら激下りをズボズボ歩いていました。交通事故でひどい体になったことを考えると、ここまでやって来れただけで良しとしておこうかなと。

その女性は巻機山がすごく好きなんですとのこと。越後の人にとっては、貫禄のある山容を持つ心の山なのかもしれませんね。巻機山は機織神を祀り、巻機姫の伝説があるそうです。巻機姫は山頂で越後縮を織っていたとか、優美な伝説です。初夏もいいですよぉーとお勧めしてもらったので、また機会があれば再訪したいと思います。

この日、単独で登られた男性が遭難したとのニュースを夜に発見しました。夕方近くから強風吹雪の大荒れで、翌日も暴風のため捜索隊は出動できなかったようです。もしかしたらすれ違っていたかもしれないと考えると、無事を祈らずにはいられず連日ニュースを検索しましたが、残念ながらいまだに続報はありません。

翌日はそんなこんなでお天気も悪く、登山やスキーは諦めて塩沢駅周辺を観光しました。塩沢駅は、閑散としているのかと思いきや、雪降る中を素足スカート姿の女子高校生がいたり、結構な人が待合いにいました。雪国の若者は寒さもなんのそのですね。

みなさんは、「北越雪譜」を書いた鈴木牧之をご存知でしょうか?恥ずかしながら私は知識がなく、鈴木牧之記念館を訪ねて初めて知りました。

鈴木牧之が雪国の生活や文化を多くの人に知ってもらいたいと尽力して世にだした北越雪譜は、江戸時代のベストセラーとなったそうです。現代のように映像や画像がSNSなどで一瞬に広がることがなかった時代、豪雪の越後に住む人々の暮らしを言葉で伝えてもピンとこない江戸の人々にとって、多くの雪国情報をこの本から学べることができたのですね。

挿絵がとても繊細で、江戸時代にこんなに雪の結晶を細かく記していたことに驚きです。

「熊人を助(たすく)」という話が載っています。ある農夫が、薪を採るために雪車を引いて山に入ったところ、深い雪のため雪車もろとも谷に転げ落ちてしまった。岩窟(いわあな)を見つけて奥へ入って行くと、温かいものに出会う。触ってみたら、なんと、熊だった。恐る恐る熊を撫でてみると熊はゆっくりと動き、自分の体温で温もっている場所へ農夫を座らせたり、手のひらについている甘くて苦いようなものを舐めさせてくれたりと農夫を助け、熊と農夫は寝起きを共にするようになる。ある日、熊は農夫を連れて外へ出る。雪をかき分け、人の足跡の見えるところまで進んだあたりで熊は走り去った。農夫はわが家へ帰り着いた。家では本人が亡くなったものとして「四十九日の待夜」の法事を営んでいた最中、皆ビックリ仰天して喜び祝宴の場となったということです。

熊が遭難者を助けてくれることが起これば本当にいいなと考えながら、鈴木牧之の北越雪譜を手に取って読み進めようと思います。

では、又次回のブログで!

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