梅雨本番、湿度の高い日々が続いていて寝苦しい気温になってきましたが、みなさんお変わりありませんか?私は、週末に苔の観察会に参加してきました。昔、心も体も仕事で干からびかけていた時に屋久島に行き、縄文杉や白谷雲水峡の神秘的な苔の森で癒された思い出があります。じっくり苔と触れ合いたいと思っていたところ、八ヶ岳の麦草ヒュッテで週末に苔の観察会があるのをWEBで発見、呼ばれるように急遽八ヶ岳へトコトコと出かけました。
まずは諏訪大社へ
大阪を余裕をもって早朝に出発し、渋滞もなく道路も空いていたので早い時間に諏訪に到着。諏訪大社に参拝しました。
諏訪大社の神紋は「梶の葉」です。古代より梶の木は神聖な木とされ、神社の境内に植えられていることが多く、神事に用いられたり、お供えの 敷物にも使われたりしたそうです。特徴のある形の葉です。七夕の紙の短冊が一般化する江戸時代までは、七夕の歌を梶の葉にしたためていたそうです。風流ですね。来年の七夕は、梶の葉っぱを探しにいって、願い事を葉に書いて七夕飾りとしてみるのも良いかもしれません。来年まで覚えてられるかな^^;
麦草ヒュッテ到着・苔観察会1日目
諏訪からビーナスラインを走り、1時間ほどで麦草ヒュッテに到着。観察会が始まるまで野草園を散策してみました。
苔観察会の講師は樋口正信先生(日本蘇苔類学会元会長)、今回で講師を引退されるとのことで、なんとか最後に講義を拝聴できて良かったです。苔初心者の私のとんちんかんな質問にも丁寧にご説明頂いて感謝です。苔の名前を覚えやすいように、俳句のような 「立つ?這うの?、どちらか決めてタチハイゴケ」、など読み合わせたり楽しみながら、観察して周ります。いろいろな苔があるもので、ルーペで見ると裸眼では見られない世界が広がり、見たこともないちっちゃな綺麗な虫が苔の中からでてきたり、苔の形に感嘆したり、途中から雨が降り出しましたが時間を忘れて苔の世界に浸りました。
夕食に、樋口先生が家庭菜園で収穫されたビーツ入りのボルシチがでました。とても美味しかったので、うちでも今度挑戦してみよう。あのボルシチの赤色にはビーツが不可欠のようで、抗酸化作用があり健康にも良さそうです。夕食後も苔のレクチャーと懇親会があり、盛りだくさんな一日でした。
苔観察会2日目
翌日は快晴の下、のんびりと苔観察。地獄谷へ向かいます。ヒカリゴケといって、光を当てるとグリーン色に光る苔も見ることができました。何年か前に参加した、ヒカルキノコ(しいのともしびだけ)の観察会のことを思いだしました。苔もヒカルとは、自然は不思議がいっぱいですね。地獄谷は名前とは裏腹に、残っていた雪から冷気がもくもく湧きあがり、妖精が住んでいるような雰囲気のところでした。
倒木は苔の宝庫で、いろいろな種類の苔が見られ、虫と一緒に妖精も顔をだしそうな世界です。苔好きの人々は倒木から離れられないとのこと^^、分かる気がしました。小人になって苔の中に潜り込めたら楽しそうです。
今回の苔観察のコースは貴重な苔保護のため通常は入れません。「全国的にみても、これだけコケの景観が美しい場所はまれ」なところだそうで、次世代へと、踏み荒らさないよう苔の森を守って引き継いでいきたいですね。八ヶ岳でも鹿による食害が問題となっていて、観察会のときにも鹿が現れました。ごっそり樹皮が食べられている木を沢山みましたが、枯れていく木々が増えていくと、苔の楽園である森の様子も変化していくことになりそうで、心配です。
動物の糞の上に生える苔があり、上の写真はマルダイゴケという糞ゴケです。ハエが胞子を運んでくれる貴重な役割を担っています。観察中にもハエがやってきました。この状態になっても、ハエには糞が判別できるようです。食事中にハエがやってくると追い払いますが、フンゴケに来たハエには、よく来たねと笑顔でお迎えです
楽しい観察会もお昼で終了、八ヶ岳に後ろ髪を引かれつつ帰路につきました。関西からはちょっと遠いですが、苔の森歩きに再び訪れることができれば良いなと思います。
ビーナスラインの途中で見つけた尖石縄文考古館と尖石遺跡に、帰りに立ち寄ってみました。「縄文のビーナス」と「仮面の女神」 の2つの国宝土偶や発掘された縄文土器が沢山展示されています。土偶は何故このような姿なのか、どう見てもカマキリか宇宙人にしか見えないのですが、地球人も宇宙人ですけど縄文時代はどんなだったのかと思いを馳せ、浪漫を感じます。
梅雨時は苔観察のハイシーズン、家の近くの公園でも苔ウォッチを続けてみようと思います。
では、また次回のブログで!