笠ケ岳(2898m) ~ 弓折岳周回・日帰り 北アルプスも暑かった今年の夏 2024-08-02

お盆も無事に過ぎ、朝夕は少し暑さが和らいできたように思いますが、日中はまだまだ熱中症警戒ですね。バタバタとしている間に8月も半ばとなりました。みなさん、この夏はいかがお過ごしでしょうか。私は、8月2日に北アルプスの笠ヶ岳へ登ってきました。笠新道を登り、笠ヶ岳から抜戸岳→秩父平→オオノマ岳→弓折岳→鏡平を経由し小池新道で新穂高へ下山しました。1日の行動時間が20時間を超える結構ハードな日となりましたが、お花畑と縦走、秩父平の絶景を見られ充実した登山でした。

ワサビ平小屋前泊

夏休みを取り、平日の15時頃に到着したので、新穂高登山口無料駐車場は空いてるよね、と思っていたら、なんと満車。嘘でしょうと言いながら奥のほうに進むとなんとか1台のみ空きを発見、山頂に到着したかのように喜んで駐車しました。登山口からちょっと遠い鍋平駐車場、以前来た時はがらがらだったのですが、翌日下山後の夜中に行ってみたところ、こちらも満車、びっくりしました。駐車場問題が大変ですね。

笠ヶ岳山荘に登山の少し前に電話したところ予約で満員とのこと、日帰りで登山することにしました。一日の行程が長いので、笠ヶ岳登山口に近いワサビ平小屋で前日泊としました。小屋に着くまでに翌日登る笠新道の登山口があります。

ワサビ平小屋にはお風呂があり、夕食は品数が多くて美味しくて、就寝スペースも清潔でとても居心地の良い小屋です。双六や鷲羽岳の登山時に小屋前でほっこり休憩して通過するのみでしたが、のんびり泊まってみて良かったと思える小屋でした。翌日は夜中の2時出発、アルコール摂取を早々に切り上げ眠りにつきました。

笠新道で笠ヶ岳へ

翌朝、笠新道登山口を2時30分に出発、熊鈴をリンリン鳴らしながらひたすら登っていきます。夜中は陽が照らないので熱中症の心配はないのですが、途中、クマザサが茂っている箇所が延々と続く中を歩かねばならず、クマザサの朝露で全身濡れてしまい、体を冷やしてしまいました。朝露のためにレインを着るべきだったのか?なんて後悔しながらも、陽が当たりだすと途端に乾き、暑さを堪えての登山となります。

日の出とともに、槍ケ岳、北穂高岳、奥穂高岳、ジャンダルム、焼岳や乗鞍、御嶽山も見え、登りが続く笠新道ですが、景色に癒されながら登り進められます。

クリヤ谷に続く尾根?だったかな
杓子平

杓子平に到着すると、また違った広がりのある絶景です。ここから山頂までも結構な登りでした。この辺りから笠ケ岳でご来光を見た後に下山されてくる登山者とすれ違いだしました。みなさん、快晴の中のご来光を見られたようで、こんなに綺麗な日は珍しいそうですよ、とニコニコ話されていました。

大文字草
笠ケ岳に続く稜線

急峻な北アルプスの山々とは対照的に、優しい可憐な花々が沢山咲いており、楽園のような景色が広がっています。

快晴の笠ヶ岳登頂

笠ケ岳山頂
山頂の祠

登山口から9時間かかって山頂に到着、長かったですが、念願の笠ケ岳、登り応えがあり、去年諦めたこの景色を見ることができてほんと良かったと感無量でした。貸し切りの山頂でしたので、白山のご来光時に宮司さんと万歳三唱をしたのを思い出し、笠ケ岳登頂に感謝して弥栄三唱をしてみました。なかなか良いものです。

今回のルートです。

笠新道を往復する予定でしたが、下山は笠新道を使用せず弓折岳へ縦走して弓折乗越から小池新道で下山することにしました。これからの行程がかなり長いので、笠ケ岳山荘で腹ペコを満たすべく、中華丼を食べました。しかし、暑い中水分ばかりをとっていたところに急にどっしりと大量のご飯をお腹に入れたのが悪かったのか、体が重くなりぐっとスピードが落ちました。下山していると、登ってこられた団体の登山ツアーの方たちとすれ違いましたが、人気の山なので、小屋の予約が取れないというのが分かります。

笠ヶ岳~弓折岳~小池新道で新穂高へ下山

午後からはガスが出たり晴れたりを繰り返し、移り変わる風景を楽しみながらゆっくり縦走を続けます。縦走中にすれ違った登山者と話し、「今日はどこまでですか?」と尋ねられ「新穂高まで下山します」と伝えると、一様に「えっ!@_@」でしたが、私たちも、「うっ、@@;」と歩いており、普通は1~2泊3日くらいの行程なので、そりゃそうですよね、と思いながら、、がんばって歩き進めます。

秩父岩の眺めは迫力があり荘厳な雰囲気でした。

秩父岩を正面から眺めると、真ん中の背の低い岩が右を向いた顔のように見えます。お猿さんのように見えると聞いたとき、私は眺めながらふと円空仏を思いだしたのですが、笠ケ岳を開山したのは誰かと確認したところ、昨年登った双六岳と同じ円空上人でした。円空は自然物の中にも仏さまを見出していたのかもしれないな、と感じました。1600年代に円空が開山した後、播隆上人が1823年に笠ケ岳に登頂し、笠ヶ岳から槍ヶ岳の神々しい姿を望み登頂しようと決め、槍ヶ岳開山へとつながります。登山道が整備されている現在とは違って、さぞかし過酷な道のりだったであろうと思います。

弓折岳への最後の登り返しが、今回の登山中で最も最難関の試練(^^; でしたが、とにかく多くの種類の花々が咲き乱れていて、癒しをもらえます。ここを通過する登山者は多くないので柵など不要で、植物に負担がなく、元気にのびのび咲いているのだろうと。多くの人間が入って踏み荒らす行為が、高山植物を傷つけているのだなぁと実感しました。

可愛い花が、名前不明
弓折乗越、槍に夕日

弓折乗越に到着し、一安心でほっと一息。この後、鏡平山荘前でのんびり休み、真っ暗になった小池新道をヘッドランプに体当たりしてくる虫と格闘しながら下りました。下山時にもわさび平小屋前で一息入れて空を見上げると、満天の星空で流れ星も見られました。

新穂高に近くなるにつれ、ヘッドランプの灯りが前からチカチカとやってくるので何かなと思っていると、トレランの人たちでした。どうやら、暑さを避けるべく夜中に走って双六岳か笠ケ岳に登り、鍛えてはるようです。

長い一日となりましたが、縦走した達成感は半端なく大きく、記憶に残る夏山登山となりました。貫禄の笠ケ岳、素晴らしい山でした。

では、また次回のブログで!

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